『職員ひとりひとりが、それぞれの専門性を発揮しながら連携し、

チームとして地域の皆様が安心し満足する医療に貢献してまいります。』

 

 当院は昭和52年の開設以来、「地域に根差したよりよい医療と安全の提供」という病院の理念に基づき、地域住民の方々のニーズに応えられるよう、一般診療はもとより、透析療法、療養医療、予防医学など幅広い領域を対象に力を注いできました。

 

 平成3041日の院長就任以来、かかる伝統のある病院が提供する医療を、私自身のこれまでの経験と知識を活かしながら、地域の皆様が安心し満足できるよう、継続発展させてまいりました。

 

 当院の位置する調布市においても、東京都の他の多くの地域と同様、いましばらくは循環器疾患、呼吸器疾患、脳血管疾患など複数の疾病を持つ高齢者が増加するとの想定です。幸い、当院常勤医師の専門は、内科から外科、さらには感染症の専門医までと幅広い分野をカバーしつつも、各医師は専門領域のにみ特化することなく総合的診療を実践し対応しております。そして、周辺の大学病院から非常勤として派遣される、異なる専門分野の医師がおります。これらの人的資源を統合した体制で、高齢の患者さまをはじめとする地域の方々への医療を、総合的にかつ質を保って提供しております。

 

 しかし、2020年1月に、わが国にもたらされた新型コロナウイルス感染症は、いくつかのまん延ピークを経て、一般国民のみならず病気を持つ方々の行動まで変化させました。1例をあげれば、2020年は、予想される死亡数より実際の死亡数が少ない県が増加、新型コロナウイルス感染症への対策から、肺炎の減少や外出による事故の減少が要因ではないかと推定されています。

 

 したがって、各病院は、新興感染症に対応するとともに、変容した医療需要に応えながら診療を継続して行かなくてはなりません。当然、当院ひとりの対応では成り立つはずがなく、これまでと同様、あるいはそれ以上に、それぞれ病院が機能を分担をしての医療提供体制を構築しながら、住民の皆様に応えてゆくことが、一層重要であり、国の施策としても求められております。

 そのためにも、個々の職員が力を発揮し、かつ働く喜びを感じることができるよう、職員満足度を高める運営も、合わせて推進してゆく所存でおります。

 

 このような医療をとりまく環境の変化についての基本認識のもと、当院の持てる力を活かし、地域医療の推進、ひいては住民の皆様にとってのよりよい医療と安心を追求して参りますので、今後とも北多摩病院を、よろしくお願い申し上げます。

 

  令和441

 

万代恭嗣(ばんだい やすつぐ)

 

〈プロフィール> 

1974年 東京大学医学部卒

1977年 東京大学医学部付属第二外科学教室入局

1987年 社会保険中央総合病院 外科部長

1989年 東京大学医学部外科学第二講座 文部教官 講師

1996年 東京大学医学部外科学第二講座 文部教官 助教授  

1997年 社会保険中央総合病院 副院長

2010年 社会保険中央総合病院 病院長

2014年 JCHO東京山手メディカルセンター 院長

2018年 医療法人社団大坪会 北多摩病院 院長

 

<政府委員等>

中央社会保険医療協議会委員(平成2310月~平成2910月)

 

 <学会等>

日本臨床外科学会会長

一般社団法人 日本病院会副会長

 

 <これまでの主な資格・役職>

日本外科学会指導医・専門医

日本消化器外科学会指導医

日本超音波医学会指導医・専門医

日本内視鏡外科学会理事・監事

日本超音波医学会理事・監事

日本臨床外科学会常任幹事・編集委員長・副会長